星が瞬く夜に。
「大丈夫?」
荷物取りに行くと言ったのに。
どうして「大丈夫」と声かけるの?
どうして、私が泣いていると思ったの?
どうして私が泣いていると思ったの?
どうして・・・?
私は涙を拭いて、扉を開けた。
「・・・やっぱり」
榊くんは指の先で、私の残っていた涙を拭った。
「どうして泣いていると思ったの?」
「・・・聞こえたから、ね」
「何を?」
「郁美が、泣いている声がね」
そのまま榊くんは、私を抱きしめた。
「泣いていいよ、郁美。
思う存分泣いて良いよ?」
「・・・」
「大丈夫、俺が全部受け止めるからね」
「・・・ッ」
どうしてこの人は、
こんなにも優しいのだろうか・・・。