星が瞬く夜に。
手を離したところで、ゴンドラの扉が開いた。
「お帰りなさーい!」
不思議がる私と、暗い表情を浮かべる榊くんとは正反対のスタッフのお兄さんが、明るく出迎えてくれる。
「お客さんたち、カップル?」
「へ!?」
お兄さんはやけに明るい。
見た目からして、多分バイトのお兄さん。
「そ、そう見えるんですか?」
私たちはカップルでも恋人でもない。
・・・同じ意味か。
お兄さんが変なこと言うから、テンパっちゃったじゃない!
「見えるよー。
仲良さそうだねー」
「あ、ありがとうございます・・・」
仲良さそうと言われ、悪い気はしないので、一応お礼を。
お兄さんと別れて、再び遊園地を巡る。
しかし、殆ど乗りつくしてしまったし、沈黙が続く。
さっきのこと・・・
なんだったんだろう・・・?