星が瞬く夜に。
「お姉ちゃん・・・何を言うの?」
「あたし、郁美のこと大好きだから。
幸せになってほしいから」
「・・・どういうこと?」
「あたしね、ずっと郁美が羨ましかったのよ」
え・・・?
私が羨ましい?
どうして・・・。
「パパもママも、気にしているのはいつも郁美。
郁美はどうだってそればかり。
あたしのことなんて気にしてなかった。
だってあたしより、郁美の方が手がかかるから。
かからないあたしなんて、いつも後回し。
あたし・・・
いつも郁美のこと嫌いだった」
・・・さっき、大好きって言ってくれたよね?
嘘なの?
お姉ちゃんは、にっこり笑った。
「あたし、郁美より先に出たくていつも頑張った。
勉強も、スポーツも。
パパとママに気に入られたくて。
郁美よりも、あたしを見てって。
でもそれがあたしを死なせた。
あたしが郁美より先に交差点に出たから。
郁美が先に出れば良かったのにね」
お姉ちゃん・・・何を言うの!?
私を殺す気だったってこと?
「郁美、今からでも交換しない?
あたし、生きたいのよ。
パパとママに愛されたいし。
それに、榊くんにも会いたいし」