星が瞬く夜に。
「わざわざ来てもらってくれて悪かったね。
ありがとう、遠いのに来てくれて」
「気にしないで。
1度来てみたかったしね」
「田舎でしょ、そっちに比べて」
「確かにそうかもね。
でも、来てみて良かった。
美人なお母さんにも会えたしね」
「母さんが美人?そうか?」
「美人だよー」
あの人が美人じゃなかったら、世の中の人はどうなるんだ。
「そういえば母さん何か言ってた?
お喋りで何でもかんでも話す人だから・・・」
「・・・特に何も。
学校でのことだけだよ?」
榊くんのお母さんが話していた、榊くんの過去については言わないで置くことにした。
多分本人は言ってほしくないことだろうし。
「・・・郁美。俺に何か隠してない?」
「え?何も隠していないよ?」
私は作り笑顔が得意だから、笑顔という仮面をかぶる。
私は昔から思っていることがわからないと言われ続けているので、私の隠し事がばれる心配はない。
「・・・郁美。俺はね・・・」
榊くんは何か言おうとした。