星が瞬く夜に。
でも、気まずそうに口をつぐんでしまい、結局何を言いたかったのかわからなかった。
榊くんは、こう言うことが凄く多い。
何か言おうとしていたけど、口を閉じてしまうことが。
一体彼は・・・何を言おうとしている?
「榊くんの方こそ、何か隠していない?」
「・・・俺が?」
「いつも何か言おうとしているじゃん。
何が言いたいの?」
「・・・何も言わないよ」
「嘘だよ。
今だって何か言おうとしたじゃない」
「気のせいだって」
「気のせいじゃないよ。
言っとくけど私、昔から勘が働くの」
「じゃあその勘は外れているね。
俺は何も隠していない。
・・・勘違いはやめた方が良いよ」
「・・・!?」
急に冷たくなった。
・・・何よ・・・何よ!!
「私・・・帰ります!
お邪魔しました!お大事に!!」
学生鞄を無造作に掴み取り、榊くんの部屋を出る。
「もうお帰りになるの?」
「はい。お邪魔しました。
紅茶、美味しかったです。ご馳走様でした」
必要最低限の礼儀をお母さんに表し、私は榊くんの家を出た。