星が瞬く夜に。









☆☆☆




朝から何時間もかけて顔を洗ったお蔭で、目元は赤くならなかった。

良かったぁ。

「その赤い眼どうしたの?」なんて触れられたら困るもの。




今日も榊くんは休みなのかな?

体弱いってお母さん言っていたし。

多分来ないだろうな。

まぁ私には関係ないけどね。




私は前に戻ったみたいに、顔を伏せて本を読む。

前・・・榊くんが転入してくるまで、私はずっとこうして1日が過ぎて行くのを待っていた。

それが変わったんだ。

榊くんが転入してきてから。




でも、昨日のほんの些細な出来事で、全てが変わってしまった。

前の地味で目立たない私に戻ってしまった。

まぁ、榊くんがいなくてもいても、私は目立たなかったけどね。



榊くんがいると、凄く景色が変わった気がした。

学校に来るのが、初めて楽しいと思えたんだ。

こんなに楽しいものだったんだって、教えてもらえた気がした。





「あ・・・あの、玉井さん!」



・・・え?










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