星が瞬く夜に。






顔を上げると、女の子がいた。

茶色い髪を下でゆるく2つにまとめ、黒い丸眼鏡をかけている、真面目そうな子。



「・・・何ですか?」


声が思ったより冷たくなる。



「・・・さ・・・・榊くんは?」


消えそうな声で、彼女は呟く。


「多分、休みだと思う」

「そ・・・そうですか・・・」

「・・・榊くんのこと、好きなの?」



思わず聞いてしまう。

何を聞いているんだ・・・私は。



女の子は目を数回瞬きさせると、クスッと微笑む。

その笑顔、凄く可愛い!

小動物みたいだな・・・。




「違いますよ。
あたし、クラス委員なんです。
担任に代わって、出席確認をしています」


クラス委員?

そんなのいたんだ・・・。



「あたし目立たないので・・・」


私の気持ちを読んだのか、彼女は寂しそうな声で呟く。



悪いことしちゃったかも、私・・・!





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