偽りの姫…本気の恋
親父と維澄の姿が無いのはきっと…

襲った相手に制裁をくわえている為

舎弟が言うには弟が鬼畜のようだったと

震えながら俺に鍵を渡す…

桜坂組の地下には地獄部屋がある

年に何度も入らない部屋…

俺は千尋が眠ったのを確かめて

ドアの鍵を開けた…

原形をとどめていない相手の顔

腕も足も変な方向を向き

息をするたびにヒューヒューと
変な音が漏れる

維澄が本気で切れていた…

俺は髪を掴み止められない憎しみを

そのままぶつけた…

3人とも生きてはいる…

親父が止めに入らなければあのまま

今頃、檻の中で千尋に
詫びてるとこだった…

「償え彼女と生きて…
それがお前の生きる意味とすればいい」

主犯は俺が昔、遊んで捨てた女達が
金で男を雇い襲わせた!!

勘違い…

千尋が卑呀さんから俺に
乗り換えた事に腹を立て
殴られただけで
済んだのは
不幸中の幸いだった…と思う

もし、違う方法で襲われていたら…

俺は、正気では
いられなかっただろう

男達も女もこの街から消えたのだから
正気とは言わないんだろうけど…

あの程度で許したのだから

クラブ
SCORPIONの千尋に手を出せば
どうなるか…

みんな悪態を叫んでいた口を閉ざし

千尋に対する態度が変わった
切ない出来事…

< 26 / 33 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop