偽りの姫…本気の恋
12月に入り

クラブ「「SCORPION」」は

忙しい毎日

当然、千尋も桜坂の家には

寝るために帰っているような
状態が続いていた…

修二も同じく

会社も組も年末に向けて
慌ただしくなり、

仕事の相手との
接待や会社の忘年会にも呼ばれ

毎日クタクタになるまで働いた
ここ一ヶ月…

体重が4キロ落ちた。


桜坂興業は材料屋と仕事相手が
早めに仕事納めをする為

25日から長い連休…

組の方は大晦日の挨拶回りに向け

親父と側近の直人さん

姐さんである
お袋達は休む暇なく準備をする

修二と維澄も28日ごろから
顔を出し手伝いをするのが
ここ数年の行事となっている

お袋が痩せた俺を心配して
食事がボリュームを増しているのは
気のせいなんかじゃないはずだ

「お袋…多分だけど…栄養の
問題じゃないから
俺、千尋を守るのに必死なんだよ…
あんな目にあわせてしまって
後悔してる…
だから…千尋が又、
連れて行かれたらって思うと
どうしてもさ…」

「わかってるの…修二君は
真っ直ぐだからね
でも、千尋ちゃんがすごく心配してるの
知ってる?
二人とも少し落ち着いたら
話をしない?
これでも姐さんだし、母親だし
ヤクザの女なのよ…私」

「お袋…ありがとう。
千尋もきっと喜ぶよ…お母さんが
できたみたいで何だか
嬉しいそうなんだあいつ、、」

「まっ、頑張らなくっちゃ
私もあんな可愛い娘が出来て
嬉しいの…
買い物にいきたいなぁ一緒に」

「千尋、明日から休みだし
親父に言おうか?」

「ううん、自分で話すわ
夜にでも連絡するわね…」




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