偽りの姫…本気の恋
今夜も千尋を抱きしめ眠る…

明日はワガママになれよ

とキスをする…


久しぶりに満足した修二は
ぐっすりと眠り

気持ちいい朝を迎えた…

現在AM9:30

あれでもないこれも違うと

独り言を繰り返し

目の前で千尋のファッションショー

を見てそろそろ1時間…

「なぁ〜、千尋〜全部可愛い
俺は白のワンピースが好きだけど
気に入らないんだったら
買い物に行って
すぐに着替えればイイじゃん
何なら店ごと買ってやるよ?」

「修二さんは黙ってて!
りえ子さんとのお出かけなんだよ
可愛くしたいじゃん〜〜」

「あ〜可愛い、キスしたい、
抱っこしたい、我慢したくない」

スポッとワンピースを着せ
お姫様抱っこで暴れん坊の千尋ごと
リビングのソファーに座る…

維澄が笑ってコーヒーと
甘いカフェオレをテーブルに置いた

「クスクスっ、千尋ちゃんお早う
相変わらず可愛いね〜
修兄の顔がとろけてるよ…
お母さんたち母屋で待ってるってさ」

ゴクゴクとカフェオレを
飲み干し、母屋と離れが
つながっている廊下を走る

やっぱり俺は置いてくんだな…

隣で維澄が腹を抱えて笑っている

千尋にとってヤクザの次期組長とか
会社の副社長なんて
価値のない物なんだと思うと
心が温まる…

俺が見てきた女達は
その価値を過大評価して
自分が手に入れようと躍起になり
身体を使い、お金も使い、
近づいてきた

千尋がクラブで姫でいられるのは
卑呀さんの女というのは勿論、
それでも…
人との関係をきちんと築きあげる事が
できているからだと思う

我が家は千尋の笑い声で
ホッとする…

ありがとう俺の女になってくれて…
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