偽りの姫…本気の恋
AM6:30

僕は毎朝ランニングをしている

修兄と比べるとかなり小さくて細い身体

勿論、バランスの取れた
体つきだとは思う

それでも小さい頃から大きな体で

僕を必死で守ってくれた

修兄をいつか助ける日が
くるかもしれない…

そんな日を望んではいないけど…

何が起こるかわからない世界の住人を

辞めることは絶対にない!

それに…母親の心配も気になる。

愛人だった母は貧乏だった…

たまたまお父さんが探してくれて
結婚してくれたから
生活に困ることが一切無かったけど…

小さい頃お腹いっぱいご飯を
食べた覚えは給食でしかない

若かった母は僕を抱えて
苦労していたんだろう…

ガリガリに痩せいつも
青白い顔をしていた…

内職で生計を立てていたような気がする

だから…修兄と比べて小さい僕の体を
気にしている…

世間では、小さい方ではない

ただ…申し訳ないと思う気持ちを
少しでも安心させてやりたい

優しい息子達の気持ちに
気づいていて毎日、
余るほどのご飯を作るのかもしれない



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