。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。
*一結Side*
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.。*†*。. 一結Side .。*†*。.
眠 れ な い の は 誰 の せ い ?
『離さない』
『離さへん』
玄蛇と響輔―――
あの夜……朔羅が倒れたっていう夜から数日経った。
その間あたしの頭を悩ませるのは二人の言葉―――
言った本人たちは揃って沈黙を守っていて、連絡一つ寄越さない。
響輔は元々そうだけど……玄蛇もだなんて……
あいつも一体何を考えてるのかしら。
そんなことを考えながら強いお酒を飲んでも、どれだけ疲れていても
眠れない、眠れない、眠れない
一体どれだけの夜をそう思って過ごしてきたのだろう。
肌荒れしてるし、頭痛はするし。苛々するし(これはいつものことか…)
――――「ほら、貰ってきてやったぞ。だけど“こんなもの”何故必要なんだ」
鴇田があたしに白い紙袋を手渡しながらタバコを咥えた。
「ちょっとぉ、あたしの前でタバコはやめてよね」
思いっきりしかめっ面をして抗議するも
「ここは俺のマンションだ。嫌ならお前が外へ行け」なんて言い返された。
父親が娘に『家から出ろ』なんて普通言う!?
あ……鴇田は普通じゃなかったんだ。
まぁ今はそんなことどうでもいいし。
あたしは紙袋の中身を確認して、白い錠剤のパッケージを取り出した。
鴇田が“こんなもの”と言ったのはこれが『睡眠薬』だからだ。