。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。
「あんたがやったんでしょ!!あんたがマスコミにリークしたんでしょう!!」
アイドルがヒステリックに叫び
バサッ!!
あたしの顔めがけて数枚の写真を投げつけてきた。
その写真の数枚があたしの顔に当たり、あたしは露骨に顔をしかめた。
こっちの方がまだ芸歴が少ないから今までは大人しくしてたけど、もう我慢ならない。
「誰があんたの過去なんかリークする必要があるのよ。それほどあんたに興味なんてないわ」
「you!ちょっとやめなさい」
マネージャーが止めに掛かったけれど、あたしはそれを無視。
一方のアイドルのマネージャーも「ルミ!」とアイドルの名前を呼んで止めている。
「あんたのせいで!!あたしはあのドラマ降板になったのよ!!イメージ問題ってね!
あんたしか得する人間居ないじゃない!!」
「それ…本当?」
あたしはマネージャーに問いかけると
「本当よ、原作者と脚本家が揃って彼女は使えないって言ってきてるのよ。
彼女が言った通りイメージの問題ね。
代わりにライバル役だったあんたを主役に、台本書き換えているらしいわ。
詳しい日程はまだ調整中よ」
と口早に説明してくれた。
「事務所側は記事を握りつぶすことができなかったの?」
アイドルの味方をするわけじゃないけれど、まだ世に出回っていない記事に何で事態が動き出しているのか謎だった。
「無駄よ。もうTwitterやFacebook等のSNSで出回っているの。彼女が整形してて元風俗嬢だってね。
しかも交際相手とも破局したらしいわ。ご愁傷さまね。
例え握りつぶしたとしても拡散した情報を取り消すことはできないわ。
噂だけど事務所側は彼女を職歴詐称で解雇する方向へ向かってるって」
マネージャーはひそひそ、あたしに教えてくれて
突然過ぎてその出来事についていけなかった。