。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。
「付き合ってるのかい?」
…………
たっぷり間を置いて、あたしは目をまばたいた。
違う
そう否定したかったけれど、口は閉じられたまま、まるで接着剤でくっついたかのようにぴったりと閉じて、開くことはできなかった。
代わりに
「だったら?」
と、あたしじゃない誰かの声が聞こえた気がしたけれど、それは―――紛れもないあたし自身の声で―――
玄蛇はあたしの質問に、ふっと口元だけで涼しく笑い
「まるでおままごとみたいだ」と小ばかにした物言い。
けれど少しだけ苛立った様子でタバコの箱からタバコを取り出し、一本を口に付ける。
テーブルの上でぎゅっと握った拳に更に力が入る。
爪が手のひらに食い込んで痛かったけれど、今のあたしは怒りに痛覚さえ鈍っているようだ。
「何よ。あんたの方がよっぽどガキじゃない」
あたしの言葉に、ライターで火を点けようとしていた手を止め、玄蛇がゆっくりと顔を上げた。
その顏めがけて
バサッ!!
あたしは例の写真を投げつけてやった。