。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。
何かって……ナニ!!!?
裸の戒が、同じく裸のあたしの頬に手をやっていて……
ギャー!!!
一人赤くなったり青くなったりで、色々妄想……と言うか想像していると
あっという間に出発時間の30分前。
…いかん、いかん。
まだやることあるし急がなきゃ。
台所に向かって、今日使ったツナ缶の残骸をゴミ袋に入れて……
…と…
ありゃ??ゴミ袋がないや……さっきゴミをまとめたはずなのに。
そっか、誰か気ぃ利かせて玄関に運んでくれたんだな。
勝手に解釈してあたしはツナ缶を持ったまま玄関口まで。
その途中……開けっ放しにされた風呂場&洗面所でキョウスケが髪をセットしているところに偶然通りかかった。
風呂に入ってるわけじゃないし、今は扉を開けっぱなしにしてキョウスケは鏡に向かい合って居る。
そのままスルーして行こうかと思ったが、鏡の中でばっちり目があっちまって、今さら声を掛けずにそのまま立ち去るのは感じ悪いよなー…
ツナ缶を持ったまま、あたしは俯き加減で
「よ…よぉ…オシャレしてんな~…お前らはどこでデート…?」
あたしってバカ……聞かなくてもいいことをわざわざ聞いたりして。
キョウスケはさほど気にならなかったのか、
「まだ、どことは」と答えた。
「そ、そーなの??ちゃんとリードしてやれよ。最初が肝心だからな」
言った後に後悔した。
こんなことが言いたかったわけじゃないのに。
またも心の中がもやもや……嫌な気分。