。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。



まだあたしは、キョウスケがリコを選んでくれなかったことに怒ってるみたいだ。


そんなのキョウスケには関係ないことなのに…


自分の我儘加減にいい加減うんざりする。


大切な人に、そのまた大切な人が出来たって言うのに……応援できないなんて、あたしってサイテー。


「た、楽しんで来いよ!」


何とか会話を終わらせて立ち去ろうとしたときだった。


「お嬢」


パシッ!


急に腕を取られてびっくりして振り向いた。


カラン……


ツナ缶が渇いた音を立てて床に落ちる。


急なことに驚いて目を開いていると、


「すみません……」


キョウスケは慌てて手を離した。


「いや……いいけどよ…」


キョウスケに関しては怖いって感じないし、以前に比べたらだいぶ免疫もついてきたと思える。


これぐらいでビビってるあたしはもう卒業した。


「一言……言いたくて…


今日のお嬢、とても




―――――可愛いです




デート、楽しんできてください」


キョウスケは無理やりと言った感じでぎこちなく笑顔を浮かべている。


キョウスケ―――……







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