。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。
*一結Side*
◆・.。*†*。.・◆・.。*†*。.・◆・.。*†*。.◆
.。*†*。. 一結Side .。*†*。.
『俺はあんたが思うほどかっこええ男でもないし、優しい男ちゃう。
けどな―――……
形だけやけど―――それ以上のもんきっと返せんと思うけど
一結がよければ――――――俺たち
付き合わへん』
響輔の言葉を思い出す。
思い出しながら、
「キャーっっ!!」みっともないほどベッドの上で身悶え。
嘘じゃないわよね。夢じゃないわよね!
今朝目覚めてからほっぺをつねること数回。
きゅっ
何回目かつねってみても、痛みは本物だし、そこで世界が変わるわけでもない。
間違いない、これは現実だわ!
浮かれすぎて爆発しそうだったけど、
でも
――――でもね
昨日エレベーターの中、雨の音に混じって聞いた玄蛇の言葉が予告もなくあたしの脳裏を横切るんだ。
『愛してる』
あいつも……何を考えてるのか……
たった一回寝た……とは言っても結局未遂だったけれど、それでバカみたいに勘違いしたとか。一度きりの関係で、しかも途中でやめたにも関わらず自分の女扱い?
考えて急に悪寒がした。
やめてよね!あたしはそんな気じゃない!
………でも―――どうもしっくりこない。
そうゆうヤツじゃないと思うし、現にヤツには夜を共にする女がたくさん居るようだった。
あいつが自分で話したわけじゃないわよ?
あいつのこと尾けていって、写真を盗み撮り(←もはや趣味の域かもね)したの。ま、あいつは気付いてたみたいだけど、それに関して咎められることはなかった。
何かあったとき脅してやろうと思って反撃材料に撮っただけなのに、役に立たなさそうだ。
でも
あいつが連れ歩く女は、みんなあたしなんかよりうんと年上の、しかも女優やモデルのような美人ばかりだった。
あたしなんて―――眼中にないと思ってた……のに―――
「ああ!もうっ!せっかくいい考えに浸ってたのに!」
頭を振って考えを改めることに。