。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。
「ああ……これ……そうです。あたし彼氏居ます」
ハッキリとナンパならお断り、と言う意思を伝えていよいよ腰を上げようとしたときだった。
あたしにならって男も立ち上がる。
「仲が良い?」
男がまたも聞いてきた。
は……??
「カレシと仲良しなの?って聞いてるの」
「……ええ、まぁ……てか…はい!ラブラブです!!」
威嚇する意味で慌てて言うと
「若いっていいね。青春だ」と男はちょっとあたしを小馬鹿にした物言いで笑い声を挙げた。
な、何なんだよ!
「君もカレシも若いから突っ走れるのかな。
信念があって絆があるからなんだろうね。
時に運命に逆らって、時に大切な人を傷つけても―――」
は――――………?
何言って―――……
「だけど“君たち”はまだ知らない。
この未来に信念や確固たる絆さえも引き裂く、残酷な運命が待ち受けていることを」
男がサングラスを少しだけ下げて、切れ長の目の一部がちらりと見えた。
赤い、紅い
眼
そのときだった。
ふっとこの眼に記憶があった。