。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。
*リコSide*
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・☆ リコSide ☆・
「もぉ~遅いなー!千里、何してんだろ」
あたしは腕時計と睨めっこ。約束の時間は11時なのに、もう15分程、一人で千里の登場をファミレスの前で待ってる状態。
千里から『ヘルプコール』があったのは昨日の夜。
“ヘルプコール”と言うのは何てことない、『宿題写させて!』と言うもの。宿題写しが終わったあと、まだ伏せっているエリナのお見舞いに行こうと考えている。
ファミレスのランチ奢りで手を打ったは良いケド、本人遅刻ってどうよ。
何度目かの時間確認をしているとき
TRRRR
ケータイが鳴ってディスプレイには千里の名前が表示されていた。
「もぉ!遅いよ!今どこ!」と開口一番に怒ると
『リコ、悪りぃ!!!今起きた!!』
「はぁ!?」
てかもう昼前だけど!
『今すぐ準備するから待っててくれ!』と電話は一方的に切られ、
ちょっとぉ!どこで待つってのよ!
あたし一人でファミレスで待機なんてイヤだよ。
幾ら待ち合わせだからって一人でファミレスに入る勇気はない。
どうしようか……近くに何か気軽に入れるショップとかないかな~、とキョロキョロしてるときだった。
「あっれー!?川上ジャン?」
と、男子の声で名前を呼ばれて振り返ると、元同中のクラスメイトだった男子たち数人が塊でこっちを見ていた。
んゲ!
あたしは気付かなったフリで回れ右をしたかったけれど、
「やっぱ川上じゃん♪なんかお前雰囲気変わったな~
高校デビュー?」
と、あたしの行く手にさっと先回りをする男子の一人。
別に嫌いじゃないけど、苦手って言うか…当時ちょっと派手なグループに属してた男子たち。あまり喋ったこともないのに、呼び止めるか?
「そいやさー、川上って藤央高だったよな。藤央と言やぁさ、あいつ同じクラスだったりする?
東中の龍崎 朔羅」
「何で……朔羅のこと……」
言ったあとにはっとなった。
「あ、もしかして同クラ?しかもダチっぽいし。
なぁなぁアイツ紹介してくれよ~!東中の龍崎 朔羅って言やぁ超可愛くて、超有名だもんな~!」
と男子たちはニヤニヤ。
何か……イヤだな、この空気。
てか朔羅は他の中学の男子も名前知ってるぐらい人気だったんだ。
でも、紹介するつもりなんてない。
「あの子、カレシ居るよ」
とキッパリ言うと
「マジか~!!やっぱそうだよな~!!」
と男子たちは大げさにがっかり。
「じゃさ、龍崎じゃなくてもいいから誰か紹介してくれね?藤央って言えば可愛い子が多いって噂だし。
そだ!合コンとか開こうぜ!」
と勝手に話を進めていく。
てか合コンなんてしないし。