。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。
期待!?
□ 期待!? □
「あんた誰?」
何もんなんだ―――……
キョウスケから聞いたことを今思い出した。スネークは“アルビノ”と言う遺伝子疾患だと。
しかもキョウスケは二度程その“金髪の男”と遭遇している。
そして“かごめの歌”
もしかして―――
男を引き止めたが、金髪の男はちらりとこちらを振り返り、口を僅かに動かせる。
何かを言ったのだろう、口が動いたが、その声はショップの賑わいの中聞き取れなかった。
「え―――…?」
と聞き返すと、同時だった。
ドンっ!
背後から派手にぶつかられて、あたしはぶつかられた方を振り返った。
あたしと同じぐらいの年齢の、きっと女子高生だろう、悪気はなかったんだろうな
「す、すみません!」と慌てて謝ってきた。
「……いえ」
と短く返すと
「もー、アヤってばどんくさいんだから~」ともう一人女の子があたしにぶつかってきた子を支えながら「すみません」と律儀に謝ってきた。
「いえ、大丈夫です」
と返して、再び男の方を振り返ると
あたしが掴んでいた男の腕はすり抜けていて、当然ながら男の姿は無くなっていた。
―――どこへ行った?
慌てて辺りを見渡すも、あの目立つ金髪の頭は見えなかった。
それからも人で溢れる店内の中を人の波をかき分けながら探したが、やっぱりどこにも居ない。
本当に居たのかどうかも怪しいが、確かにあたしはあの男の腕を掴んだ。
唐突に現れて、唐突に消えた―――
あの男
本当に何者だったんだ―――……?