。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。


ちょっとの間あたしはあの謎の男を探したが、この人ゴミの中探し出すのは無理だと早々に諦めた。


ま、いっか。ストラップは手に入ったわけだし。


それでも何となく釈然としないまま、会計を済ませて、戒が待っているであろう喫煙所に向かうと、


何やら人の塊が両脇にできていてその誰もがそわそわと落ち着かない視線で辺りをちらちらと目配せ。


何だ?


と思って目を細めると


その中央に戒がヤンキー座りでくわえタバコをしながら、マップを睨んでいた。


戒だけに、モーゼの十戒??お、うまいこと言ったな、あたし。


じゃなくて!


おめぇ怖ぇえよ!ヤクザ丸出しじゃねぇか!


ある意味あの謎の男よりお前の方が怖ぇえよ。


周りのヤツらぜってぇ関わりたくないって思ってるに違いない。


一瞬、知らない人のフリをしようかと思ったケド


一応??彼氏だし。


「何やってんだよ、お前」とあたしが戒の元まで歩いて行くと


「朔羅、早かったな。いや、お前とこれからのルート計算をな…」と口の中で戒はぶつぶつ。


そんなデートのコースをマジもんのヤクザの顔付きで考えんなよ。


「とりあえず、腹減ったし。ほら、どっか食えるところ探そうぜ」と無理やり戒を立たせて、喫煙所を離れるとき


後に残された喫煙所の喫煙者たちが一同に「ほ」っと安堵の息。


やっぱ知らないフリしとけばよかった↓↓



< 270 / 439 >

この作品をシェア

pagetop