。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。
*リコSide*
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・☆ リコSide ☆・
進藤先輩に半ば強引に連れ出されて、あたしは今エリナをストーカーしてる淫行コーチの尾行をしている。
あのストーカーは、そわそわと落ち着かない素振りで、それでも早歩きでどこかへ向かっている。目的地がしっかりしているみたいだ。
「あいつ、どこへ行く気だ?」
あたしたちはストーカーから数十メートル離れて、あいつに気づかれない程度に足を速めている。
「せ、先輩……危なくないですか?こうゆうことは龍崎くんたちに任せた方が…」
と、今更になって言うも、先輩はちょっと笑って
「大丈夫だって!あいつ一人なら俺にでも何とかできるし。戒の兄貴や響輔の兄貴や姐さんにコテンパンにやられる前は結構喧嘩強かったんだぜ?」
と、得意げになって言う。
いや、そーゆー問題じゃなくて……
確かに、違う高校にもその名前が通じるぐらい強いってのは分かるけど
「でも、ストーカーする人ですよ!常識とか通じる人とは到底思えないんですけど。
もしかして刃物持ってたりするかもしれないし」
あたしの意見に先輩は目をぱちぱち。
「そっか!そこまでは考えてなかった」
やっぱバカ?
「とにかく引き返しましょう」
いつの間にかストーカーを追いかけていたら閑静な住宅街に来ていた。人気もないし、大声を出してもきっと誰にも気づかれない。
「先輩、帰りましょう!あたしたちが尾けてきたって知ったら何されるか分かりません」
と言って回れ右しようとしたときだった。
「しっ!誰かの家の前で止まった。インターホン押してる」
進藤先輩は近くにあった電柱にあたしを引っ張っていくと、その影に二人して隠れた。
ど、どうしよう……
今、動いたらあのストーカーに絶対気づかれるよね。
戻るに戻れない。