。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。
*琢磨Side*
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== 琢磨Side==
朔羅が倒れたその日の夜―――俺は定期健診だった。
薬で眠っていた俺は昨夜の“騒ぎ”を知らなかった。
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その朝、目覚めは良い方だった。
いつもの…薬を投与されたときの独特の倦怠感も無く、頭もすっきりと冴えわたっている。
朔羅がただの日射病だと知ってほっとしたってのもあるな。
とにかく心配ごとが減って久方ぶりに良く眠った。
ゆっくりと目を開けると、
「よーぉ。お目覚めか?」
聞き慣れた声が聞こえてきて、こんな口調で俺を呼ぶのはたった一人…
首を動かして入口を眺めると、相変わらず仕立ての良いスーツに身を包み朝早く(…だよな…はっきりとした時間は分からないが『朝』だと言う感覚はある)だと言うのにこれまた俺よりさっぱりした
タチバナの姿を目に入れて
「目覚めにお前の顔見るなんざサイアク」
俺は悪態をついて起き上がった。
体はすんなりと動く。昨日より随分と軽かった。
「定期健診だってな。わざわざ見舞いに来てやったのにそれはねぇだろ」
タチバナは俺に缶コーヒーを放り投げてきて、俺はそれを空中でキャッチ。
「夜明けのコーヒー♪うまいぞ?」
にやり
タチバナは口の端で意味深に笑い
「それよりお前の持ってきた話の方がウマイんだろ?
何か進展があったのか?じゃなきゃ早く立ち去れ」
俺は缶コーヒーのプルタブに指を掛けてせっかちに聞いた。