。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。
転落!?
□転落!?□
『あいつは偽医者じゃなくて、ちゃんと医師免許持っとるし。
危険なヤツじゃないから』
て、戒は言ったけど、じゃぁ危険じゃないヤツが何であたしの怪我の手当てをして、しかも変な検査をしたんだよ!
あたしは一方的に切られた電話に腹を立て、閉じたケータイを睨んでいた。
何だってんだよあいつ。
まぁ戒のお仲間だったら敵じゃないことは確かだが。
それにしたってこっちだって心の準備がな……とブツブツ呟いてると
「お嬢?大丈夫ですかぃ!」
と女子トイレを乱暴に叩く音が聞こえてて、慌てて女子トイレから出ると、マサが女子トイレの前にドンと構えていて
「怖ぇえよ、お前。てかそんなに睨み利かすなよ。痴漢に間違われんぞ」
とマサを指さし
「すいやせん、でも長かったんで…あと、トイレからお嬢の怒鳴り声が聞こえたんで」
とマサが謝る。
怒鳴り声……小声で喋ったつもりが、地声がでかいからな……声が漏れちまったようだ。
内容まで聞かれたどうか不安だったが、
「とりあえず、処置も終わったことですし、会計済まして帰りましょう」
どうやらマサには聞かれてなかったみたいで、ほっと胸を撫で下ろす。
――――
――
会計場所は意外に混んでた。
この時間帯だってのに。いや、この時間帯だからか?
ガチにヤクザなヤツも居れば、どっかの黒服っぽいのも居るし、あとどっかの組の幹部のスケ(女)か?で賑わっている。
順番待ちの番号札は36番となっていて、そのうんざりする数字に大きなため息が漏れる。
戒に早く帰れって言われたけど、こればっかりはしゃーない。