。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。
「あ、そうだ!夕飯お前らちゃんと食ったか?
あたしが居ないとおめぇら適当に済ませちまうだろ」
と言うと
『大丈夫っすよ!ピザ取ったんで』
ピザ?おめぇらいいもん食ってんな……
『なんか~タクがえっらいシャレた店知ってたんスよ。六本木にあるイタリアンのピザでさぁ』
と言いかけた所
『あ!家計費からじゃなく、みんなと持ちよりなんで!』
と、今度は壱衣の電話をタクが奪ったようだ。
タクがイタリアンの店を知っていたことがちょっと意外だ。ユズなら色々知ってそうだけど。
てかピザ屋の兄ちゃん怖がってなかったか??あたしはピザのデリバリーに来た兄ちゃんが白目剥いてひっくり返る様子を思い浮かべた。
しかも別にいいけどよ、家計費からでも。
あたしだってみんなに嘘ついて戒とデートしてたわけだし。
後ろめたいことがあるって、何か色々寛大になるんだな。浮気男が浮気後に本命に高価なプレゼントする気持ちがちょっと分かったり……
てか変なこと悟るなよ、あたし。
ん??でも……
前も叔父貴&鴇田が取ったピザも六本木にあるイタリアンだって言ってた。店名までは覚えてないけど。(。・*・。。*・Cherry Blossom ・*・。。*・。参照)
叔父貴がタクに喋ったのかな。てかピザ屋の話するほど親密じゃねぇよな、あの二人。
ま、いっか。偶然だろ。
「じゃ、また電話するから」
と慌ただしく電話を切ったところで、非常階段を降りてくる黒い影が壁に映しだされた。