。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。


ホント……何だってんだよ。


と訝しく思ってると





「うさぎちゃん、ひつじちゃんのことが


好き?」




と、改めて聞かれて……てかひつじちゃんってのは戒のことだよな。


「……うん、好きだけど


てか、何でそんなこと聞くんだよ。


あたしは戒が好き。だからいい加減あたしと戒(とキョウスケ)を追い回すのは―――」


言いかけて、あたしの頬をタイガの手がそっと包んだ。




何――――……



と、思っていると





「僕は君が、とても大切だ。


守りたいと思ってる」





タイガの顔が近づいてきた。


え―――……


と思う間もなく、あたしの唇に


タイガの唇がそっと重なった。



油断していたってのもある。


タイガは急いでいそうだったし、今まであたしを好きだと言って強引にチューをせがんできたりもしたが、あたしが嫌がると本気でそう言うことはしてこなかった。(←と言うか、させなかった)


雪斗や叔父貴以外の大人の男とする、はじめてのキス―――


でも


雪斗の強引なものではない


叔父貴の、いつも焦燥感を漂わせている、冷たいキスではない




ただ



優しく―――




まるであたしを慈しむような、包み込むような


そんな



キス






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