。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。
玄蛇が双子のワケは光と影を表している。それは元々二つのものが一緒になったから、と言う言い伝えがある。
黄龍が二人存在するのは、天と地が別れたから。その裏には“合理的”でかつ“組織の体制を守るのに役立つから”その意味から、
元々一体だったのが離れた、と言う説がある。
だが、対馬の場合は―――
離れることなく、また相反するものでもなく、常に一体なのだ。
それはある意味、比翼の鳥、連理の枝とも言える。
「さっきあんたが言うたこと……」
布団の中で心のくぐもった声が聞こえて
「ん?」
と、傍に腰掛けて脚を組んでいた速人が聞いた。
「白虎会と青龍会の盃の件がまとまったら
ここじゃないどこかへ
行く、言う話、
うちは夢みていいんかな」
黒を白に変えることはできないが、限りなく白に近いグレーにはなれる。
そのグレーな部分が何を指すのか分からない。けれど彼らは限りなく―――白になりたかった。
『夢みたいなことやけど、
夢見てる』
心はそう言ったが、本当はこう言ったかったのかもしれない。
『夢、見させて』
「ええよ」
布団の上からぽんぽんと頭を叩き、速人が寂しく笑った。
「はよ、終わらせたいわ。
意味のない
“戦争”を―――」
「せやな。けれど俺らは風を味方につけた馬や。
これが終わってもきっとどこでも駆けつけるさかい
そんときは」
隣に心が居てほしい
速人の言葉は空中で消え、しかし布団の上から撫でていた手からその言葉が心に伝わった。
うちも
うちもあんたに傍に居てほしいんやよ―――
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Mirror Tushima Brother’s END
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