。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。
あたしは
龍崎くんを信じてる。
でも……
「龍崎くん!」
あたしは立ち去る龍崎くんの背中に向かって大声を掛けた。
龍崎くんがゆっくり振り返る。
「な、何か困ったことがあったらいつでも相談して?
うちら―――友達じゃん?」
あたしがそう言うと龍崎くんがはにかんだように笑って
「おう!サンキュな♪川上。
お前も……
お前も悲しくなったり寂しくなったりしたら連絡しろよ?俺がいつでもお前を受け止めてやるから」
受け止める―――って何言っちゃってんの。
そんなかっこいい台詞。
それは恋人の朔羅に言ってあげるべき言葉でしょ。
でも
ありがとうね。
龍崎くんは拳を軽くかざして、またも前を向き今度こそあたしは立ち去る龍崎くんを呼び止めなかった。
その背中がたくましくて眩しくて
高校二年のこの夏―――恋以上に大切な大切な何かを得られた
そんな気がした。
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