。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。
傷心中(?)の千里をほったかして、またもあたしの意識は逸れ、あれこれ考えているときだった。
TRRRR!
千里のケータイが鳴って二人してビクッ!
だって千里の黒いケータイのサブディスプレイには『おかん』て表示されてたんだもん。
「ど、どーしよっ!!」
千里はわたわたしながら、まるで爆弾を手にしてるかのように危うい手つきであたしにケータイを寄越す。
まぁある意味爆弾だな。
「てかあたしに渡されても困る!あたしがおばちゃんからの電話に出たら変だろ!!」
あたしは爆弾を千里に押し付け、
「ここで出なきゃ変だろ。出ろよ。なるべく普通にな」
あたしは千里に念押しして強引に手に握らせると、千里はちょっと頷いてやがてのろのろした動作でケータイを耳に当てた。
「も…もしもし?」
訝しみながらも電話に出て
千里は少しの間「―――あー…うん…」とか「今…?今朔羅と外に居る…」とか答えてた。
どうやら今度は大きな爆弾を落とされず平和に終わりそうだ、と思ったが
「―――は?……エステ…って母さんそんなん行ったことねぇじゃん…!」
千里の受け答えを聞いていると怪しい雲行きに…??
「――――は?エステただで行ける……?
んでその後デート…!!?
またかよ!」
またかよ!
あたしの心の声と千里の声が重なった。