。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。
「い、いえっ!!あの…勘違いだったわけですよね…
おばちゃんが不倫とか…ないですよね?」
あたしが慌てて手を振ると
「不倫?」
と叔父貴が声を低めて器用に片眉を吊り上げるとあたしを見てきた。
訂正:睨んできた。
ぎゃぁ!!ごめんなさい!!
と、何も言われてないのにあたしはもう謝りモード。
おばちゃんは無理やりと言った感じで笑顔を作り
「ええ。もちろん違うわ。
龍崎さんには靴を選んでもらってたのよ。お父さんの靴よ―――」
千里の方にゆっくりと顔を向けた。
「親父の―――靴……?」
ここではじめて千里が顔を上げ、おばちゃんをまじまじと見た。
「ええ。だって…お父さんの靴あんた見たでしょう?捜査で歩き回ってボロボロになった靴を―――ずっと履いてるんですもの」
あたしも見た……確かにおっちゃんの靴は可哀想なことになってた。
叔父貴のいつでもピカピカ、ブランド物のたっかそ~な靴と比べると可哀想なぐらい。
ちらり
叔父貴の足元を見ると叔父貴も苦笑い。
「そうゆうことだ。
一ノ瀬のおやっさんとこのご内儀とどうこうなろうなんてこれっぽちも思ってねぇよ。
お前はもっと俺のこと信じろ」