。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。
その正体が分からず、あたしの頭痛がまたも酷くなる。
今それを考えるのはよそう。
他事喋ってたらまた痛みなんて忘れる。
あたしはゆるゆると頭を振ると「大丈夫。ちょっと寝不足なだけ」
と、曖昧に笑ってごまかした。
「お、叔父貴の誕生日もうすぐだね!」
結局―――うまくかわすこともできず話題を変えるしか能のないあたし。
叔父貴の手はゆっくりと離れて行った。
名残惜しそうに……その手は一瞬だけ宙をさまよい、それでも元あった場所まで戻されると
ほっとした。
けど同じだけ何だか名残惜しいあたし。
何なんだよ、あたしの浮気者!戒と言う旦那が居ながらっ!
あたしは自分に怒りを覚え勢いよくレモンスカッシュを飲み込む。
シュワシュワッ…
心地よい炭酸があたしの喉で弾けた。
「高校生だしそんなに盛大に祝えないかもしれねぇけど、叔父貴の喜ぶことしてあげたいな~って…」
あたしが誕生日の話に戻すと、叔父貴はあたしの言葉にふっと涼しく笑みを浮かべ、あたしの耳に顔を寄せ内緒話をするようにひそっと耳打ち。
「お前が欲しい。
お前と夜明けのコーヒーを飲みたい」