。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。
三人で向かった先はそこから歩いて数分のところにある新垣 エリナの家。
白い壁が真新しい新築の一軒家。
しっくいの壁にアイアンの門扉。まるでおとぎ話に出てくる…いかにも朔羅が好きそうな洋風の可愛い‟おうち”だ。
「何すか、ここ。誰の家スか」
進藤だけが訝しむように目を上げていたが、
「新垣さんちだ」
「え、え!?‟あの”?新垣 エリナの??兄貴、まさかの浮気スか」
進藤は口に手を当てあわあわ。
「アホぬかせぇ。俺は朔羅一筋だっつうの!
それにお前を連れてわざわざ浮気なんてするかっ」
俺が進藤のでこにチョップを食らわすと進藤はチョップされた部分を押さえて
「ですよね~…でも、何で新垣 エリナの家に??」
と当然ながらの質問をしてきた。
「パトロールだ?新垣さん変なヤツにつきまとわれてるからな」
「そう言えば…。つきまとってるやつって、あの感じ悪い監督」
進藤は淫行コーチの姿を思い出したのか忌々しそうに顔を歪めた。
そう言えばこいつ『こんな不良』とか『エリナ、付き合う人間は考えた方がいい』とか言われてたっけね。
※CherryBlossomⅣ参照
「今思い出しても腸煮えくりかえりますよ」
「そう思われてもしょうがないぜ。だってお前不良だもん」
「ホンモノのワルの兄貴に言われたくありませんよ!」
そんな会話を繰り出しているときだった。
今まで黙って俺たちの話を聞いていた響輔が俺の袖を軽く引っ張り
「戒さん―――不審車発見です。黒のバンでナンバーは…」