。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。



パトロールをしている最中、


と言っても新垣 エリナの半径一キロメートル以内をぐるぐる回るだけだど


「田崎ってあの田崎??バスケ部の」


と進藤が聞いてきた。


「おう、お前知ってるか?」


「知ってるも何も去年同じクラスでしたよ。


イケすかないヤツでして」


「お前の感想なんてどーでもいいんだよ。


新垣さんてぶっちゃけ三年の中で人気あるの?」


俺が聞くと


「そりゃありますよ。三年の中じゃ朔羅派か新垣派って言われて、ひそかに野郎の中でファンクラブがあるぐらいです」


朔羅派か…新垣派??ファンクラブ……??


「何か楽しそうですね。アイドルのおっかけみたいで」


と、ここになってようやく響輔が口を出した。


「そっかぁ?俺は大勢の中の一人より、俺だけを見てほしいぜ」


俺が意見すると


「俺は、まぁ当然朔羅派でして!!」


と進藤が勢いよく手を挙げた。


「聞いてねぇって。てか聞かなくてもんなこと知っとるわ。お前朔羅にちょっかい掛けててめちゃウザかったからな」


「ウザいって……そりゃそうかもしれませんケド…」


進藤はイジイジといじけるフリで口を尖らせる。


「なるほど。金髪くんがウザいほどちょっかい掛けてたからお嬢も変なヤツから狙われなかったんですね」


ポン


響輔が手を打ったが


「あのなぁ。一番こいつが厄介だったっつぅの!お前だって倉庫に来たから分かるやろ。


朔羅を犯そうとしてたんやで!それも俺の目の前で!!」


今思い出しても腸煮えくりかえるわぁ!!!


俺は進藤の胸倉を掴んだ。





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