。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。
鎮静剤!?
□ 鎮静剤!? □
その晩の夕食、どことなく想像はしてたけどやっぱり戒は帰ってこなくて、あたしは組員に囲まれながらも何となく寂しい夕食を済ませた。
キョウスケのヤツも帰ってきてないから、二人でどっか遊びに行ってるだけかもしれねぇけど。
それにしたってキョウスケと出かけてくるならそう言やいいのによぉ。
何となく仲間外れにされた気がして、居心地が悪く
あたしはその居心地の悪さを解消するため、リコに電話を掛けた。
お互いケータイ電話会社の無料通話時間は夜9時まで。それまでは掛けほーだいだから気兼ねなく喋られる。
話の内容は飽きもせずもっぱら恋やお洒落の話。
けれど今日だけは恋の話をする気にもなれず、あたしはひたすらに最近のファッションやメイクについて喋りまくった。
リコも良く喋った。
『あのメーカーのリップが欲しいんだけど、使ったことないしな~』
とリコが某メーカーの大人色リップを話題に出し
「エリナに聞いてみたら?あの子詳しいじゃん…」言いかけて鼻がムズムズ。
くしゅん!
派手にくしゃみをして
『どうしたの?風邪??そう言えば昨日ちょっと顔色悪かったような…』とリコまでも「顔色悪い」と言い出す。
「ん。平気……けどさっきから悪寒っての??寒気と……あと鼻水と頭痛が止まらなくて…」
ズズっ
あたしはティッシュで鼻を押さえて鼻を啜った。
『やだ!風邪じゃん!!熱は!』
とリコの方が本人以上に心配そう。
熱は無いと思うけれど念のため測ってみると
「36.5℃……やっぱ熱はないや」