。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。
「熱ないし、大丈夫!」
あたしは空元気を装って見えない筈なのに小さくガッツポーズ。
「大体、ここ数年あたし風邪なんてひいてないし」
『ああ……何とかは風邪ひかないってヤツ…??』
リコが低く笑い、
リコ!!ホントのことだけど酷いよ!!
と、まぁそんなくだらない会話をしながら夜9時を迎えた。
まだまだ喋りたいこといっぱいあったけどあたしたちは名残惜しそうに通話を切ることに。
『じゃね、朔羅~♪お大事にね』
「うん、ありがと。おやすみ~」
電話を切ったあと――――しばらくは雑誌を読んだりテレビを見たり、で一人の時間を楽しんでいたがそれも三十分ほどで諦めた。
頭が割れるように痛い―――
あたしは這うようにして台所に向かい、食器棚の中から鎮痛剤の箱をあさった。
「あったあった……」
昼飲んだからあんまり服用するのマズいかなぁ…
と思いつつも、この割れるような痛みをとりあえずは何とかしたい。
服用数を守って白い錠剤を口に放り入れると、水でそれを流し込んだ。
リコの言う通り、風邪かな……
だったら明日にでも御園医院に行って……
一人じゃ心細いなぁ。
たかだか風邪なのに――――何でか不安になる。
戒も居ないし―――