愛しても愛されない

真奈と千秋がニヤニヤしながら近づいてきた、

「真耶ーあの鯖ホストと随分親しげだったじゃーん!」

私に抱きつきながら千秋がちゃかしてきた

「なんだろうな…なんか不思議な人だった」

本当にそう思った。うまく言えないけど波長が合うというか…また会えたらいいな。

ふっと振り返って見ると、遠くでコウジも丁度振り向き子供みたいに手を振ってくれた。

「…可愛い」

思わず出た言葉に千秋と真奈はびっくりしながらも笑ってくれた。


「あれ?真奈!時間めっちゃ経ってるけど彼氏さん大丈夫なの?」

ハッとした顔で心配そうに千秋が携帯の画像の時計を見ながら言った。

そうだ。真奈は彼氏さんが迎えにくる時間も過ぎているのに何故かここにいる。

両手で小さなバツをつくった後、鞄から携帯を取り出し私と千秋に携帯を向けた。

「いやー連絡ぶっちされちゃいました(笑)」

言われながら向けられた画面に目をやると

ごめん、急にはやっぱ無理(><)

の文字が明るく光る画面の中でぽつんと映し出されていた

あちゃーやっぱそうなるよなぁ…

彼氏さんは受験生かつ深夜に
いきなり泊めて!だなんてキツイもんね、
しかも実家だから難しいのに逆に真奈は
よく言えたな。などと思いながらも
行動力の高さは憧れる。


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