この恋のとろける温もりを感じたい


「あっ...」


肩が、すれ違った人に触れ持っていた鞄を落としそうに。ふっと視線を下に向けると目の前には見覚えのある黒皮の靴。


靴から視線をゆっくり上に逸らしニッコリ微笑む。


「桃也さん」
「...迷子になるぞ」


やれやれと軽いため息混じりに私の手を掴むと、やっとの事で京都駅前に足を一歩踏み入れた。


「ここが京都だよ」


目の前には、京都タワーそして少し遠くを見渡せば綺麗な山が見える。


東京では遠くを見てもビルの壁やビルの合間に点々と緑が見えるくらい。


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