この恋のとろける温もりを感じたい
瑞希さんは微笑むとハンドルを掴みアクセルをゆっくり踏み込んだ。
1キロ走ると周りは森で囲まれ古民家のような家が何件か見えて来た。
「車同士で通るには大変な道。この辺の人は当たり前のように運転してるけど」
瑞希さんは、そう言って苦笑いをしてから民家のある道路わきに車を停めた。
「この辺に美山さんが居るといいのだけど...」
車から降りると表札を一つずつ確かめ車から100㍍離れた家の前に立ち瑞希さんと目を合わせる。
「蘭花ちゃん、これで美山さんが居なかったら今日は無理かもしれない」