この恋のとろける温もりを感じたい
それから...絵を毎日のように描き進め1か月経った、ある日
様態が悪化し帰らぬ人になったと美山さんは目に涙を浮かべ話してくれた。
「貴崎先生には、申し訳なかったと娘の由香は言っておりました。
本当は、この絵をすぐにでも送りたかったのですが...由香の最後に描いた絵だと思うと、送りづらくて...」
きっと私も同じ立場なら、送れない...その気持ちは十分おばあちゃんを見ていて分かっている。
「本当に申し訳なかったと思います」
美山さんは、泣きながら私達に頭をずっと下げていた。