それでもあなたが好き
二話
さわっ

美咲が私の髪をさわる

「いやー、長いね~ シャンプー変えた?」

「うん、前の切らしちゃって」

まじかーと言いながら髪をさわる美咲

心臓がキューってなる

ドキドキする

好き 好き 大好き 大好き――――


「琴音?」

ハッと我に返る

「どうしたの?きつい?」

「いや・・・そういうわけじゃっ」

自然と小声になる

恥ずかしい ドキドキする

あぁ、やっぱり美咲のこと好きなんだよ

「先生、沖野さんがきついそうなので保健室に連れて行きます」

「分かりました、念のため熱を計っといてください」


「琴音、行こ?」

「ん・・・」

パタパタペタペタと足音が響く

美咲は気を使っているのか話しかけてこない


美咲はなんて思うだろう


女の私が 女の美咲を好きだって知ったら



きっと、話しかけてこないだろう


私を――避けるのだろう

どうしようもない気持ちに苛立ち とまどう

同性


この文字が私を悩ませる
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