妹から彼女へ…。
週末となれば渋谷の街も沢山の人で賑わっている。意外にも人にぶつかりやすく真実は、人混みをよけるのに必死だった。

『ほら、早く来いよ。』

『え?雄也、何で…。』

真実に優しく手を差し伸べた雄也。

まさかこんな事されるなんて思っても見なかったから驚きを隠せなかった。

『お前さ、あまり人混み好きじゃないじゃん?手繋いでないとはぐれるし(笑)』

『だ、大丈夫だよ。子供じゃないんだから。』

嬉しいけど照れ気味の真実。

『良いからさ、ほら、行くよ!』

真実の言う言葉をかき消すかのように彼女の手を繋いだ雄也。

少しの間無言だったけどお互いの体温を感じていたのは確かだった。

ただ手を繋いでる事がこんなにも嬉しく心がくすぐったい感じだった。

それは、雄也も同じ気持ちでいた。

真実は、雄也の手を優しく握った。

何よりも嬉しい瞬間だった。
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