妹から彼女へ…。
その頃、雄也は早紀と何となく気まずい雰囲気だった。

そもそも、早紀がこんなにも積極的な事に少し抵抗があった雄也。

確かに彼女とキスをした事は、嬉しいけど、でも、どこか違う感じがした。

自分が思っていた早紀と違う事に雄也は気がつき始めていた。

だけど、真実と隆史にあの場を見られたのが微妙にショックだった。

むしろ、真実のあの泣きそうな顔が頭から離れない。

彼女の事を特別に好きと言う感情がないはずなのに、あの時だけはどうも違った。

雄也は、自分でどうしたいのか正直分からないままで居た。

そんな彼の様子を見かねた早紀・・・。


『ねえ、どうしたの?何か元気ないけど・・。もしかして、あの真実さんが好きなの?』

『え?・・・何でそんな事聞くの?』

『だって、あたしがキスしてから様子変わるし・・。そんなに動揺した?真実さんに見られたから?』

『それは・・・。』

早紀の言葉が何気に的中して上手く答えられない自分が居た。

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