妹から彼女へ…。
『あたし、雄也君と離れたくない。』

『早紀・・。』

『だって、あたしが真実さんより雄也君を好きになったの。それに・・。』

『それに?』

『あたし、今まで色々な人と付き合ってきたけど、雄也君みたいな人初めてなの。
こんなにドキドキする事なかった。どの人も同じような感じの人ばかりで、正直恋愛したいとも思ってなかった。でも、雄也君と傍にいるだけで嬉しかった。
だから、いきなりキスしたの・・。ごめん・・・。
やり方としてずるいかもしれないけど、あなたを好きな気持ちは変わらない。
真実さんに負けたくないの。
我侭なあたしだけど、傍に居て欲しいな・・。雄也君の気持ち、聞かせてくれない?
あなたのホントの事知りたいから・・・。』

『俺の気持ち?』

『うん、早紀に対しての。』

『俺は・・・。』

早紀の目は、意外にも真剣だった。

まさかこんな事を聞かされるとは思っても見なかった。

雄也の心の中で正直どうして良いか分からなかった。

真実の事を考えると早紀に対しての気持ちが弱くなってる自分に気がついた。

雑踏の街の中で雄也は、自分のホントの気持ちを早紀に答えようとしていた・・。

嘘をつかずありのままの想いを・・・。
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