godlh

「彫野君。」
ふたりの間に、梢が割って入って来た。
―――邪魔だ。女ぁ。
今の彫野は、うまく感情をコントロール出来なかった。が、これ以上、醜態を晒したくないとも思っていた。精一杯、表情を明るく保つ努力をして、ゆっくりと振り向いた。
「ごめん。今、彼女と話しているから、あとにしてくれるかな？」
―――彼女？
彫野の口から、“彼女”と言う言葉が出てくるのは、あゆみにとってかなり意外だった。
―――梢との事は、誤解だったの？
あゆみの心は、揺れ動いた。