godlh
「・・・。」
「・・・。」
「何・・・。」
 目の前には、血だらけの彫野が倒れていた。
 「・・・。」
 ―――どうしたらいいの?
 頭が混乱して、何もする事が出来なかった。その時、机の上にあった試験管がひとつ、転げて床に落ちた。まるで、彫野の最期を告げるように、儚い音を立てて崩れていった。
 「彫野君。」
 駆け寄り、抱きかかえた。
 その眼は、白目を向いていた。もう、感じた温もりはなかった。
 「いやぁぁぁぁ。」
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