godlh

そんなくだらない話も終わって、僕は本題を切り出した。
「て、哲。あのさ。」
「あぁ、何か話があるんだったよな。いったい、なんの話？」
唾を思い切り飲み込んだ。惟を除いては、僕が愛内さんを好きだって知ってる奴はいない。もちろん、今、目の前にいる哲も知らない。これから僕が言おうとする事は、哲に愛内さんが好きだとカミングアウトするに等しい。そう思うと緊張せずにはいられなかった。
僕はなるべく悟られないように、哲に話すにはどうすればいいか考えながら話した。
「哲のクラスのさ、昨日話してくれたあいつさ、どんな感じ？」
直接、愛内さんの事を聞かないで、あいつの事から聞けば、僕が愛内さんの事を好きだと言う事はバレないだろう。
我ながらいい考えだ。
「あいつ・・・、彫野の事か・・・。なんで、秀郎があいつの事なんか、気にするの？」
―――しまったぁ。確かに、気にする理由がないよ。
「今朝さ、秀郎、あいつがカツアゲするトコ見ちゃったって言うんだよ。だと、秀郎、結構やばい感じだろ？だから、様子を知っておいた方がいいかなってね。」
―――ナイス。惟。
「そう、そうなんだよ。」
慌てて、惟の話に合わせた。
「マ、マジでぇ。秀郎、それ、本気でバレてたら、やばくね？」
「だろ？だから、そこら辺の事知りたいわけよ。」
惟には、頭が上がらない・・・。動揺している僕の頭を、まるで覗いたかのように完璧なフォローだ。