godlh
―――神様・・・。

僕が思っている通りの事を、哲が口にしない事を祈った。けれど、やっぱり世の中に、神様なんていないみたいだ。
「男の誰かが、愛内に声かけたとするじゃん。間違なくないそいつは、あいつに殺されるね。それくらいに、殺す気で睨んでるんだわ。」
―――・・・。
頭の中に浮かんだ絵では、僕があいつに殺されていた。
「・・・。」
頭の中のイメージが、そのまま顔に出ていたのだろう。それを見た哲は、慌てて言葉を付け足した。
「あ、秀郎がやばいとか、そう言う事じゃないから・・・。」
その言葉が、あいつのキレ具合を示しているように思えた。
惟は、哲の言葉を受けて確認した。
「と言う事は、秀郎の事をあいつは何も知らないって事でいいの?」
「さっきの話はともかくとして、たぶん、大丈夫だと思うよ。あいつ、めちゃくちゃだから。自分の都合に悪い奴がいたら、速攻いくよ。でも、今、秀郎はここにいるだろ。って事は、あいつは気がついてないんじゃないかな。」
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