godlh
もっと真っ赤
彼女-愛内さん-とは、去年、中学二年の時に同じクラスだった。去年の事だから、そんなに忘れている事はないと思うけど、僕の中に彼女と話した記憶がなかった。一年も同じクラスにいたと言うのに、全くなかった。
いや、一つだけあった。
二年になったばかりの時、新しいクラスになったばかりの僕たちは、男女それぞれの出席番号順に並んで座った。その時、隣に座っていたのが彼女だった。
その時の僕は、彼女の事を少しかわいいかなって思うくらいだったと思う。
それは、英語の授業の時だった。
僕は、英語なんて言葉だとは思っていなかった。だから、This is a pen.と言われても、何の事か全然わからない、それくらいにひどい有様だった。
「次、一之江。教科書のはじめから読んでみろ。」
指されないように、指されないようにと願いながら、体を小さくしていたのに、僕の努力は無駄に終わってしまった。
「へっ。」
気のない返事に、先生は少し強く、同じ事を言った。
「一之江。教科書の、はじめから、読んでみろっ。」
「あ、はい・・・。」
中学一年の授業ですら、まったくわからない僕にとって、中学二年の教科書は、象形文字で綴られた宝の地図か、それともピカソの抽象画かと言うくらいに、奇々怪々なものだ。そんな感じだから、はじめから躓いてしまった。
「あ、あい、えーぴー・・・・。」
今、僕が話しているのは、英語とはほど遠いものだと言う事は、死ぬほど理解していた。でも、今の僕にはこれ以上、どうする事も出来なかった。
すると、左隣から小さな声が聞こえてきた。
「アイ、アム・・・。」
―――愛内さん!
驚いた。まさか、彼女がこんな事をしてくれるなんて、夢にも思わなかったからだ。興奮を抑え気味に、僕は彼女の言葉通りに発した。
「アイ、アム・・・。」
いや、一つだけあった。
二年になったばかりの時、新しいクラスになったばかりの僕たちは、男女それぞれの出席番号順に並んで座った。その時、隣に座っていたのが彼女だった。
その時の僕は、彼女の事を少しかわいいかなって思うくらいだったと思う。
それは、英語の授業の時だった。
僕は、英語なんて言葉だとは思っていなかった。だから、This is a pen.と言われても、何の事か全然わからない、それくらいにひどい有様だった。
「次、一之江。教科書のはじめから読んでみろ。」
指されないように、指されないようにと願いながら、体を小さくしていたのに、僕の努力は無駄に終わってしまった。
「へっ。」
気のない返事に、先生は少し強く、同じ事を言った。
「一之江。教科書の、はじめから、読んでみろっ。」
「あ、はい・・・。」
中学一年の授業ですら、まったくわからない僕にとって、中学二年の教科書は、象形文字で綴られた宝の地図か、それともピカソの抽象画かと言うくらいに、奇々怪々なものだ。そんな感じだから、はじめから躓いてしまった。
「あ、あい、えーぴー・・・・。」
今、僕が話しているのは、英語とはほど遠いものだと言う事は、死ぬほど理解していた。でも、今の僕にはこれ以上、どうする事も出来なかった。
すると、左隣から小さな声が聞こえてきた。
「アイ、アム・・・。」
―――愛内さん!
驚いた。まさか、彼女がこんな事をしてくれるなんて、夢にも思わなかったからだ。興奮を抑え気味に、僕は彼女の言葉通りに発した。
「アイ、アム・・・。」