godlh
本当の気持ち
誰もいない玄関に言った。
「ただいま。」
どんなに気分が落ち込んでいても、長年にわたって染みついた生活習慣は、なかなか抜けるものでもなく、無意識に口に出してしまった。その小さく響く声が、あゆみの心に虚しく届いた。
大きくため息をし、自分の部屋に入った。
着替える事もなく、ベッドに横たわり、昨日から今日にかけてを思い出した。
何があったのだろう。
あゆみには、いつもと同じ日常しか思い出されなかった。でも、今日の梢や、リアの態度を見る限り、何かあった事は間違いない。でも、それが何かわからなかった。
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