godlh
「お、おい。見たか?」
恐怖が、僕の体を通り抜けた頃合を見計らって、惟が僕に話かけてきた。
「あ、あ、うん。たぶん・・・。」
一瞬の事なのと、自分の眼で見たはずなのに、突飛な事過ぎて信じられないのとで、僕はなんともはっきりしない返事をした。
「なんだよ。見たのか、見ないのか、はっきりしろよ。」
「そんな事言われたって・・・。あんな一瞬の事・・・。本当に見えていたかなんて自信ないよ。」
「自信のある、なし、なんてどうでもいいんだよ。見えたのか?」
「う、うん。」
「だよな。俺も見えた。」
惟は、さっきの先生のように興奮していた。
「あれって、ネットに書いてあった通りだよな。」
「そうだけど。あんな一瞬だけじゃ、俺は確信持てないよ。」
「何言ってんだよ。一瞬とはいえ、あんなに大きな・・・。」
その時、僕らの鼻に異臭が充満した。
「くせぇ。」
「なんだ、この臭い。」
「パンパねえよ。」
みんなが騒ぎ出した。その臭いの元が、どこかと探した。
「先生。大河内が漏らしてる・・・。」
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